平成27年1月から、相続税が改正されて、基礎控除の5000万円と、相続人一人当たりの控除1000万円が、それぞれ6割の3000万円と600万円になりました。
単なる増税という評価もありますが、従来は、亡くなった人のうち、相続税を納めるのは5%程度といわれていて、5%の人だけが負担する税金は、公平性の問題もあるので、幅広く負担を求めるための改正ともいえます。
相続税の計算では、財産の評価をします。
土地の評価を実際の時価と考えると、一物一価とも言って、面積が同じでも立地が違えば価格が変わり、比較対象がないので、あえて言うなら、実際に売れた金額こそがその土地の時価になります。
もちろん、時価を知るために実際に売ってしまうわけにもいかないし、客観的な評価が必要なので、土地の評価方法は相続税法で決められていて、それを相続税評価額といいます。
相続税評価の計算は、路線価方式又は倍率方式で行います。
路線価方式は、年に1度国税庁が公表している路線価図で、土地が面している道路に、1000円単位でつけられた値段に面積をかけて計算します。
一方、都市部ではなく、土地の価値が比較的低かったり、取引が少ない地域ではすべての路線に路線価が付いておらず、固定資産税評価額にかける倍率だけが決まっていて、これを倍率方式といいます。
つまり、路線価がある地域では路線価方式により計算し、路線価がない地域では倍率方式で計算するので、一つの土地について、両方の計算をすることはあり得ません。
相続税の路線価の倍率表ってどうやってみるんですか?
相続税の計算をする場合、基本的には「路線価図」を利用します。
路線価図は、その土地の存在する市区町村役場に備えられており、無料で閲覧することができます。
いまは国税庁のホームページでも閲覧することができるので便利です。
土地を相続した場合、この路線価図を使って相続税の計算をします。
そのため、その土地が存在する路線価図を検索し、閲覧することになります。
該当する路線価図の中で相続した土地を探し、その土地の周辺に「路線価」の表示がなく、「倍率地域」と書かれている場合には「倍率表」を利用することになります。
この倍率表も市区町村のエリアごとに決められているもので、これもいまは国税庁のホームページから検索して閲覧可能です。
該当する倍率表は、相続した土地の所在する町名などで検索してください。路線価同様、この倍率表も基本的に毎年更新されますので、該当する年度のものを使うようにしましょう。
該当する倍率表が見つかったら、「町名」などや「適用地域名」などから相続した土地の所在するエリアを探します。
それが見つかったら、今度は「固定資産税評価額に乗ずる倍率等」という項目を探します。この項目は「宅地」「田」「畑」などいくつかの項目に分けられています。
相続した土地の種類(登記事項証明書上の「地目」)から該当する項目を見ていけば数字が書いてあるはず。それが目的の「倍率」となります。この倍率が分かれば、あとは比較的簡単。
相続した土地の固定資産評価額に、いま調べた倍率を掛ければいいのです。その計算によって算出された金額が、今回相続した土地の相続税を計算する上での評価額となるのです。