“買い物に行ったら、商品に4種類の値段が付いていたらどうしますか?
通常の商品は、「メーカー希望価格」と「実売価格」の2種類くらいはあっても、4種類もの値段がつくことはまずないでしょう。ところが、土地は「一物四価」とも呼ばれ、4種類の値段があることをご存知でしょうか。
値段が高い方から書くと、実際の売買取引価格である「実勢価格」、国土交通省が公示し、
実勢価格の90%で評価する「公示価格」、国税庁が発表し、
実勢価格の70%~80%の評価価額になる「路線価」、
最後に、地方公共団体が算出する、実勢価格の60%~70%に評価される、「固定資産税評価額」となります。
このうち相続税算出は路線価評価によってその価格が決まることが多いのです。
この路線価評価は安い方の値段だから相続税の額もそれによって決められても仕方ない、と思うかもしれません。しかし、この路線価評価をしっかりとやってもらうことにより、相続税還付が受けられるかもしれないのです。
もし路線価が実際はもっと低ければ、一度払ってしまっても相続税還付が受けられます。
ここで相続税に詳しい税理士に相談してみましょう。
なぜなら、詳しくない税理士の場合は土地の面積などから機械的に路線価評価を行っているかもしれないからです。
詳しい税理士なら、土地の型状や適正な広さより大きければ単価が下がるという「面大減価」まで評価に入れて計算できるので、
土地が過大な路線価に評価されていると分かれば相続税還付を受けることができることになります。
土地の売却と路線価について
土地や建物など、不動産は、面積が同じでも立地条件で価値が変わるし、住所が近くても、接道の形などでも異なるので、同じ価値のものは一つとしてありません。
同じものが二つとないということは、その場所に魅力を感じている人にとっての価値は高くなるので、売り手と買い手が合意して、売買をした金額自体がその土地の時価になります。
とはいえ、実際に売らないと、価格が決められないでは困るので、相続税の計算など、客観的に土地の価値を決める必要がある場合は、路線価を利用します。
路線価とは、年に一度、国税庁が公表する路線価図で、地図上の道路に千円単位の値がついています。
土地が面している道路の路線価に面積をかけて路線価の評価額を計算することができます。
この方法で計算した価格は、売却するときの金額より2割から3割程度低いのが一般的です。
相続税の計算をするための課税標準にするので、実際に売却することができる金額を上回ると、税負担が大きくなってしまうこともありますが、売却した場合、譲渡所得にかかる所得税の負担も考慮する必要があります。
所得税は、利益が出なければ実際にはかかりませんが、先祖代々の土地など、買った時よりも大幅に価値が上がっている場合や、買った値段がわからない場合は、最大2割の税金がかかります。
路線価で評価した土地の価格は、土地を売却して、所得税が最大の2割掛かった場合の手取り金額に近い金額と考えておくと、大きな差はありません。